大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)1516 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人今西貞夫の上告趣意(後記)について。

所論第一点は、憲法三八条二項違反をいうが、検察官に対する被告人の供述調書

の供述記載が、強制によりなされたとの事実は、記録上これを認めることができな

いのみならず、かりに所論の日時に拘禁されたものであるにしても、右供述調書記

載の供述は拘禁と自白の日時の近接からみて、もとより不当に長く拘禁された後の

自白でないことは明らかであるから(昭和二三年(れ)四三五号同年一〇月六日大

法廷判決、集二巻一一号一二七九頁以下参照)、原審が所論の検察官に対する被告

人の供述調書の供述記載を、事実認定の資料に供した第一審判決を是認したからと

いつて、これを目して違法であるということはできない。それ故違憲の主張は前提

を欠くものであり、同第二点は、事実誤認、訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇

五条の上告理由に当らない。

その他記録を調べても同四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二九年一一月三〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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